Skip to main content

暑い。暑すぎる。

とろけそうなくらいの暑さに7月から完全ノックアウト状態の私。せめて灼熱地獄の間だけでも、南半球のオーストラリアに移住出来やしないだろうか。今、話題のシェリングサービスの延長で『カントリーシェアサービス』なるものがあるのなら、今すぐにでも登録して少しだけ南半球の気温のお裾分けを頂戴したいところ…。いやいや、待てよ。だがしかし、南半球に行く前にしっかりと日本でグルメを堪能しておかないとやはり気が済まない。腹が減っては戦は出来ぬ、腹が減っては移住は出来ぬ。

そう、そんな寝ても冷めても頭は食についての私。そんなフードライターこと、筧玲奈が今回ご紹介するのはカントリーシェアサービス。ではなく、『Megloo』と呼ばれるテイクアウト容器のシェアリングサービス。

何やら、美味しい食事を『Megloo』と呼ばれる専用容器でいただくことができるらしい。かつ、容器を洗わずに返却出来、繰り返し使用出来る一石二鳥の夢のようなテイクアウトサービス。なるほど、容器がメグル。Meglooというわけか。

暑いからその期間だけ南半球に土地をお借りして移住しちゃおう!いやいや、待てよ。だけど日本で味わうグルメを置き去りするなんて惜しい。そんな私にとって、願ってもみないサービス。

今回は、怠惰にサービスのみを享受したい気持ちをグッと堪え…。ちゃっかりMeglooスタッフの一員となった私。単なるサービス紹介にとどまらず、サービス実証実験の側まで潜入し、隈なくレポートして参ります。関係者の方々や、実際にMeglooを導入・使用してくださった店舗やお客さんに根掘り葉掘りお話を伺って参りましたので、どうか皆様も暑い暑いと言わず。南半球に行く前に少し足を止め、“美味しくてちょっと地球にイイ話”、聞いて行きませんか?

中野実証実験概要

テイクアウト容器のリユースサービス『Megloo』を展開する株式会社カマンは今回、7/23(月)〜7/28(金)の平日5日間、『中野セントラルパーク』にて実証実験を行いました。

中野セントラルパーク公園内には毎日、日替わりで異なるキッチンカーが並びます。今回の5日間の実証実験においては、キッチンカー計32台(約6-7台/日平均)に御協力をいただき、下記写真のMegloo容器を導入していただきました。

ミントカラーの色味と、底が深く容量のある作りが特徴となっており、テイクアウト向けに蓋で密閉性が保たれる工夫が成されています。

今回は7月中旬の日程とあって、平均気温36.3℃(最高38℃)と猛暑日の中の実証実験だったものの、5日で利用者数は428人に上りました(1日平均85名利用)また、利用人数が102名と最大だった最終日には、中野セントラルパークのキッチンカー平均利用者数(直近3ヶ月平均)における約25%がMegloo利用者という結果となりました。

今回の実証実験は下記の図の通り、イーストとサウスの中間地点に位置する場で実施しました。

中野セントラルパークは、周辺にオフィスビルや大学、中野区役所に囲まれた立地に存在するため、昼時にはオフィスワーカーから学生まで幅広い年齢層の方々が行き交います。

さらに、キッチンカーにてMegloo容器を利用した方々が返却しやすい場所を考慮し、容器回収ボックスを下記の通り6箇所に設置しました。

キッチンカー横に設置(14:00まで)。他にも、サウス・イーストの1階のそれぞれ1箇所ずつ、社員限定で丸井グループ本社とキリンホールディングス18-21階にも返却ボックスを設置致しました。

さらに、南口エリアでも回収できるよう中野マルイ1Fエントランス付近にも設置を行いました。複数箇所の設置により、返却時の移動の手間を最小限に抑えられるように工夫を行いました。こうした工夫の結果、5日目が終了した時点での回収率97.7%を達成しました。(利用実績に対する回収実績から算出)

実施概要
日時:7月24日(月)~7月28日(金) 11:00-14:00
場所:中野セントラルパーク(中野駅北口より徒歩5分)
立地:キリンホールディングス本社を含むオフィスビル・明治大学や早稲田大学・中野区役所が点在する
平均気温:36.3℃
容器回収専用ボックス:6箇所に設置(キッチンカー周辺回収箱は14:00まで。その他は終日)

今回の実証実験での取り組み

キリンホールディングス株式会社様、株式会社丸井グループ様、東京建物株式会社様およびキッチンカーの店舗の方々の御協力を経て実施致しました。Meglooスタッフによる利用促進の様子や、利用者の方々の実際の声も交えつつ、Megloo側、店舗側、顧客側、の3視点から実証実験エリアでのレポートをしていきます。

実証実験での取り組み(Megloo側)

今回、Megloo容器はカマンによって設置した回収ボックスにて回収を行い、当日未使用分も含め、丸井本社社員食堂にて洗浄して頂きました。そのため、初日以降は前日洗浄分を朝丸井本社社員食堂にて回収。各店舗への配布を行うために、袋詰めを行いました。また、キッチンカーエリア以外の終日設置してある回収ボックスを確認し、前日の撤収時刻後に返却れた容器を開始時刻前までに回収しました。

セントラルパークへ移動後、スタッフはまず各キッチンカーに20個ずつ配布(1日の販売個数の約1/3を想定した個数)し、協力してくださったキッチンカーの方々にMegloo利用時のQRコード利用方法を共有しました。その後は、キッチンカーの待ち列に並んでいる方々に対し、実際にMegloo容器のサンプルをお見せしながらサービスや利用方法についての説明および利用促進を行いました。サンプルを実際に持って説明することによって、利用時のイメージが湧きやすくなるほか、お客様側から使用用途についてなど、容器に対する質問をいただく場面がありました。

12:00-13:30頃にかけて、周辺のオフィスビルのビジネスワーカーが昼休みのピークを迎えます。キッチンカーの方々の商品提供の妨げにならないように配慮しつつ、待ち時間を利用し並んでいる方々に声を掛けました。

出張など、場所移動の関係で返却出来ないことから今回は利用できないものの、サービス自体に興味を持ってくださった方がMeglooスタッフが説明時に利用するチラシを写真に撮って記録してくださる場面もありました。

実際に利用の呼びかけを通して今回Megloo容器の利用に繋がった方の中には、“洗わずに返却可能であるのなら嬉しい”という声や“QRコードから、LINEの公式アカウントを登録するだけで利用できるなら簡単に利用できる”という声が上がりました。

実証実験での取り組み(店舗側)

朝の準備段階で各キッチンカーに20個ずつMegloo容器を配布し、20個では足りないキッチンカーに対しては、追加の配布を行いました。

その後、注文時に、リユース容器使用の旨をお客様側から伝えられた際、配布したMegloo容器に商品を詰めていただくという対応をしていただきました。

御協力していただいたキッチンカーの方々にお話をお伺いし、Megoo容器を利用して感じたメリット・デメリットをそれぞれお聞きしました。

メリットとしては、容器代のコスト削減に繋がることが嬉しいという声が1番多く上がりました。他にも、容器の底が深くて安定して持つことが出来るため、キッチンカー特有の高い位置からの商品提供を安心して行えるとの声もありました。さらに、今回使用したミントカラーの色味を提供商品の見栄えの良さに繋がるという嬉しいお声もお聞きすることが出来ました。

一方で、今後の改善に繋がりそうなご指摘もいただくことが出来ました。普段使用している容器を使用する方とMegloo容器を利用する方が混在し、容器別の対応に手間取る場面があったという声や、底の深さが通常使用している容器と異なるため量の調節が難しいという声も一定数ありました。

さらに、蓋と容器が一体となっている容器を普段使用しているキッチンカーでは蓋をする手間が重なり、お客様に提供するまでに時間がかかるとの声をいただきました。こうした、リアルな声を真摯に受け止め、今後は底の深さが異なる容器の開発等、導入する店舗側のオペレーションに影響が少なくなるような取り組みに力を入れていきます。

実証実験での取り組み(顧客側)

Megloo利用者はまず、キッチンカー毎に設置されているQRコードから、Meglooを友達登録。

友達登録完了後に、チャット画面にて使用する容器数の申請を行います。

その後、注文時に『リユース容器利用の旨をお伝えし、Megloo容器に入れられた商品を受け取ります。実食後は、設置された回収専用ボックスのいずれかにて再度QRコードを読み込み、返却を行います。

執筆者が実際にスタッフとして参加したのは実証実験開始から3日目。中間日ではあったものの、既にこの時点で前々日からの取り組みを認知していらっしゃる方もいました。

認知のみならず、実際に連日利用してくださっている方もおり、中にはMegloo利用に際して紙袋を持参して下さる方もいらっしゃいました。

利用促進をする中で、サービスに興味を持ってくださり利用に繋がった方々の話を聞くと、”返却場所が複数あること”や“QRコードの読み込みのみで利用できること”など手軽に始めやすい工夫が利用のきっかけになった方が一定数いらっしゃいました。また、洗わずとも返却可能である点を『オフィスではなかなか洗い物が出来ないから有難い』と話す方。他にも、数十分しか使用しないテイクアウト容器を捨てずに済むことで罪悪感が薄れると話してくださる方もいらっしゃいました。

更に今回実際に、Megloo容器を利用しテイクアウトした方の食事中にお話を伺うことが出来ました。お話をお伺いした男性は、ジャマイカ料理のキッチンカー「キングストン12」さんにて『ジャークチキンライス』を購入していました。

美しい盛り付けに思わず執筆者も食欲を掻き立てられておりました。

男性は、Megloo利用自体は初めてとのことでしたが、普段から”マイ箸”を持ち歩いたり、事前にテイクアウトを利用すると分かっている際は容器を持参することもあるのだそう。

食べてすぐに容器が捨てられるのではなく、回収しまた使用されるのであればちょっといいことをした気分になれてしまいますね。と笑顔で話されていました。実食後は、専用の返却箱にて返却。「洗わなくていいけれど、なんだか洗いたくなってしまいます」と話されていました。

Megloo容器の利用方法を説明する際に『返却する際の洗浄は不要』とお伝えはしますが、中には実際に容器を洗ってから返却してくださる方もいてスタッフとしても心地よい体験でした。

Meglooサービス概要

株式会社カマンでは『Megloo』と呼ばれる、飲食店におけるテイクアウト容器をリユースするサービスを展開しています。

地域共通のテイクアウト容器をシェアすることで、結果的に容器ゴミの削減に繋がる他、密閉性の高い容器ならではの美味しさを保った状態での持ち帰りを実現しました。
利用方法は、LINEを使用。公式アカウントを友達追加をすることで直ぐにサービスの利用が可能となります。鎌倉や袋井(静岡)、栗山(北海道)と全国7箇所で実際に導入されており、鈴鹿サーキットのF1グランプリやバスケ、ラグビーなどのスポーツ試合会場、渋谷区、神奈川県庁および墨田区商店街など様々な場所にて実証実験を行った実績があります。

株式会社カマンでは、今回の実証実験においていただいたキッチンカー運営の方々、Meglooを利用してくださった方、あるいは利用してくださらなかった方の声を踏まえて更なる改善とサービス向上に向けて尽力して参ります。

また、今後実証実験をさらに拡大し展開していく予定です。Meglooに関して興味を持っていただいた飲食店の方々、企業様からのお問合せをお気軽にお待ちしております。

運営

株式会社カマン
鎌倉市大町1-1-14
https://kaman.co.jp